2025/11/17

第30回日本薬剤疫学会学術総会に参加してきました(長岡)

2025年10月31日~11月2日に都内で開催された日本薬剤疫学会(https://30jspe.ywstat.jp/)に参加しました。本学会は、疫学の手法を用いて医薬品のリスク・ベネフィットを評価する学会として1995年に発足し、今年で30回目の開催でした。私自身は今回が初めての参加でした。

初日は、薬剤疫学の基礎を学べるチュートリアルが開催され、2日目・3日目には教育講演、シンポジウム、口頭演題、ポスター発表が行われました。口頭演題、ポスター発表では、RWDを用いたTarget Trial Emulationをはじめとする発表演題はどれも質が高く、事前に「今年は例年以上にレベルが高い」と伺っていた通り、初参加の私にとって新鮮かつ学びの多い内容ばかりでした。

シンポジウム「医薬品製造販売後の安全性評価におけるRWDの積極的な活用に向けて」では、海外、特に米国と比較して利用可能なデータ型は大きく変わらないにもかかわらず、日本ではRWDの活用が遅れているという話があり、特に印象に残りました。現状、RWDは仮説検証に用いられることが多いものの、今後は仮説生成への応用など、より幅広い活用が期待されていると感じました。

今回は聴講での参加でしたが、来年は自身の研究成果を発表し、先生方と議論を交わすことで、研究の幅をさらに広げていきたいと強く思いました。

博士課程1年(パブリックヘルス学位プログラム) 長岡巧樹